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Date: Thu, 23 Feb 2012 11:58:47 +0900 (JST)
From: 鈴木 昭司 <moon_river_s_s@yahoo.co.jp>
Subject: [members-ml:00973] ご報告など
To: Sophia Glee <members-ml@sophia-glee.com>
Message-Id: <455318.57590.qm@web100004.mail.kks.yahoo.co.jp>
X-Mail-Count: 00973

上智グリーOBの皆様


S58年卒団の鈴木(T1)です。


当地の今朝からの雨は、雨粒は冷たいながらも、少しずつ春の足音が近づいてくることを予感させてくれます。
昨年の震災からもうじき1年を迎えます。当日当地は震度6弱の揺れに見舞われました。


私は、これまで震災を語るのを控えてきました。自分の気持ちの整理がつかなかったからです。
我が家は、壁のひび割れ、数個の本棚の倒壊以外の物的被害はなく、人的被害はゼロでした。
基本インフラ(電気、ガス、水道)も1週間で復旧、ガソリンの安定供給と幹線鉄道の復旧に約1ヶ月。


これらは、岩手、宮城、福島の津波による被害、また、原発事故による近隣住民の避難、風評被害等に比して極めて軽微。だから、自らを被害者として語ることに抵抗がありました。しかし、少しずつ気持ちや考えに整理がつき始めた今、震災の体験者として語る事の意義を感じ始めています。以下私の近況を交えてつらつらと書き記します。


私は2年半前に、病気(躁うつ病)の療養に専念するため、会社を辞め実家に居を移しました。その後法律の勉強を始め、様々検討した末行政書士の資格取得を目指すことにしました。目標を設定して勉強すること自体が社会復帰に向けてのリハビリになり、また、資格取得後独立開業が可能なことからの選択です。

22年度の受験が不合格となり、そろそろ23年度(試験は11月)の試験に向けて勉強を本格化させようとした矢先に震災が起こりました。勉強を再開したのは震災の約1ヵ月後。ただ、福島第二原発から100km圏内に居住しており、放射線の安全性に関する情報の錯綜に心が苛まれ、集中力は途切れがち。試験が近づくにつれて、今年の合格は諦め翌年チャレンジしようとの弱気が心を支配するようになりました。


ただその頃、出願者数の公表があり、昨年度よりかなり出願者が減ったことをしりました。震災の為に受験を断念した方がいらっしゃるのでは?と想像しました。自分が受験できる環境にいることに感謝しようとも思いました。当日は不思議と緊張感がなく、自然体で集中して試験に臨むことが出来ました。その後1月30日に合格発表があり、何とか合格することが出来ました。


ところで年明け以降、首都直下型地震の発生確率、発生時の被害予想、対処法等がメディアで報道される頻度が増えています。私はその情報を頭ではなく「心」でどう受け止めるかが重要に思います。

以下、寺田寅彦の文章を引用します。※出典『天災と国防』
「自然は過去の習慣に忠実である」


きのうあった事はきょうあり、 
きょうあった事はまたあすもありうるであろう。 

ものをこわがらな過ぎたり、
こわがり過ぎたりするのはやさしいが、
正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。
(以下略)


これと、次のスティーブ・ジョブズ氏の発言を重ね合わせてみてください。
「自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役に立つのです。」


私は、この二つの言葉に触れ、心が軽くなりました。
震災以降、いつも何かに怯え続けていた心を解放してくれました。


この間の私の唯一の心残りは、去る1月15日にすみだトリフォニーのステージに立つことが出来なかったこと。
また、出演された皆様に敬意を表します。
いつの日か合唱活動を再開することで、生前の北村先生のご恩に報いたいと思います。


ここまで拙文お読みいただきありがとうございます。
皆様と再会する日を心待ちにしております。


鈴木拝





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鈴木 昭司 SHOJI SUZUKI
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